・No.32「The
Blues Bros.」3/8/05
エディー・マーフィーやマイク・マイヤーズを生みだした音楽コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ」。エグゼクティブ・プロデューサーのローン・マイケルズは、放送開始以来この番組を通して数々の新人をエンターテイメントの世界へ送り出してきました。今でも大人気のこの深夜番組が始まったのは1975年のことです。
80年までの最初の5年間、「サタデー・ナイト・ライブ」のメンバーには結束という言葉はありませんでした。予定時間を超えても終わらない初回リハーサル。本番直前になっても完成しないスタジオセット、照明担当ディレクターは途中で失踪、プロデューサーのローン・マイケルズが「今夜が俺たちの人生のなかで、最も恥ずべき夜になるかもな」
と言えば、美術担当者は「舞台セットがまにあわなければ、俺をクビにすればいいさ」と居直る始末。
ところがいざ番組が始まると、オープニングのショート・コントから大ウケ。ゲストも「サイモン&ガーファンクル」や「ローリング・ストーンズ」など一流どころを呼んでのパフォーマンスに、瞬く間に話題の番組となりました。
誰も名前も聞いたことのないような新人芸人を集めて始めたこの番組でしたがメンバーの1人が認められてハリウッドから引き抜かれると、残った連中が後に続けと激しい自己主張を始めます。チームプレーを活かしたストーリー性のあるコントは蔑ろにされ、個人プレーのネタばかりが生まれていきました。しかしそのために数々の個性的な流行り言葉や人気キャラクターが登場していったのです。
「サタデー・ナイト・ライブ」の初期メンバーのなかでひときは目立ったのがジョン・ベルーシ(John
Belushi)とダン・エイクロイド(Dan Aykroyd)でした。シカゴ出身のジョンは、子供の頃からバンドで歌ったり、楽しいトークで人を喜ばせるのが好きだったそうです。21歳でミシガン州立大学を中退すると、劇団に入ってプロの道を目指します。脚本家としての才能に目を付けられ、「サタデー・ナイト・ライブ」のレギュラー・メンバーに抜擢されました。一方、オタワ出身のダンは20歳でカールトン大学を卒業したエリート。しかし卒業後はコメディ劇団に入り、子供向けのテレビ番組などに出演していました。カナダの映画界でデビュー後「サタデー・ナイト・ライブ」のレギュラー・メンバーになります。
1978年4月22日の放送でジョンとダンのふたりは黒いスーツにサングラス姿で登場。それぞれジェイク・ブルース(Jake
Blues)、エルウッド・ブルース(Elwood Blues)の名をかたり50年代のR&Bのナンバー「Hey,
Bartender」を歌います。ブルースの伝道師「ブルース・ブラザーズ」の誕生です。
ディスコ・ブームに沸く70年代後半のアメリカで、いきなりタフなブルース・バンドとしてデビューしたふたり。番組の人気も手伝って、初めてのアルバム「BRIEFCASE
FULL OF BLUES」は大ヒットを飛ばします。これをきっかけに一気に勢いに乗ると、ジョン・ベルーシが
「アニマル・ハウス」で映画デビュー、79年にはスピルバーグ監督の隠れた名作「1941」にふたりそろって出演しました。そして1980年には、映画「ブルース・ブラザーズ」が制作されたのです。
シカゴを舞台に、むかし世話になった孤児院の財政難を救うためにバンドを再結成するジェイクとエルウッドの物語。ゲストにジェームス・ブラウンやアレサ・フランクリン、レイ・チャールズ等が出演。よく注意して観ていると、キャリー・フィッシャー(スター・ウォーズのレイア姫)やスティーブン・スピルバーグも登場しているのに気づきます。
「ブルース・ブラザーズ」の成功で気をよくしたジョン・ベルーシは、次第に「サタデー・ナイト・ライブ」の仕事を軽視するようになりました。やがてメンバーともそりが合わなくなると、80年のシーズンを最後に番組を降りると発表。結局、次のシーズンには相棒のダン・エイクロイドの姿も消えていました。
1982年3月5日、ジョンは極度の麻薬中毒のため33歳で他界しました。相棒を失ったダンは、1998年に新たなメンバーで映画「ブルース・ブラザース2000」を制作しましたが、以前ほど話題にはなりませんでした。
★ Website
「Saturday Night Live Transcripts」
「サタデー・ナイト・ライブ」のコントが読める!1977年の初回から最新放送分まで、キャプション映像と一緒に楽しめます。1978年4月22日の放送記録には「ブルース・ブラザーズ」初登場の画像もあります。
★ CD
「ブルースは絆」
「ブルース・ブラザーズ」のデビューアルバム「BRIEFCASE
FULL OF BLUES」の日本向けプレス。 |
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「どうしてこんなにアメリカが好きなのだろう?」
・No.01「THE KING」 8/3/04
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